Another Productゲームで次世代と
昔ながらの道具をつなぐ。
道具屋筋の新たな試み。

カードゲーム テコカコテ by 千日前道具屋筋商店街 監修 (株)ウィルコミュニケーションデザイン研究所

カードゲーム テコカコテ by 千日前道具屋筋商店街 監修 (株)ウィルコミュニケーションデザイン研究所

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10数年来続いてきた
修学旅行生の
受け入れ。
コロナ禍で
失ったきずな。

古くから大阪の食道楽を支える千日前道具屋筋商店街。その歴史と料理道具を扱う店々が集まる商店街の特長を生かして、地域の小学校の社会見学や多くの修学旅行生の体験学習(あきんど体験)を受け入れてきた。フライパンや包丁など、よく知る調理器具はもちろん、竹でできた和食で煮魚をつくるときの道具、煮ざるなど、伝統的な調理器具が並ぶ。普段は目にすることがないプロの調理器具を前に、子どもたちの目は好奇心で輝く。実際に触れる機会となるとなおさら貴重だ。重みや質感、光沢など、その場でしか得られない経験の中で、子どもたちに「道具とは何か」を考え感じとってほしい。そう思い、道具屋筋は2000年から取り組みを続けてきた。

しかし、この取り組みがある年、突然、途切れた。そう2019年12月にはじまったコロナ禍だ。何か方法はないか、関係者で議論を重ねたが、当時、感染経路などが不明確であった未知の病を前にして、人が集まるイベントを開催するのは不可能。苦渋の選択ではあったが受け入れを断念した。

次世代に何か
道具を知ってもらう
体験ができないか。
カードゲームという
新たな取り組み。

いったんは断念した道具体験ではあったが諦めたわけではなかった。コロナ禍で学校へも思うように行けず、友だちとも会うこともままならない子どもたちに何かできることはないかと思案を巡らせた。

できれば修学旅行生の受け入れのように道具を扱う自分たちならではの社会貢献ができないか…。こうして生まれたのが日本でもはじめてのプロの調理器具をモチーフとした千日前道具屋筋商店街ならではのカードゲーム「テコカコテ」だ。絵札として登場する道具は26種類。道具の使い方や由来を簡単に解説した道具辞典と合わせれば登場する道具は51種類に上る。

ここには、わさびをすりおろす道具「鮫皮」や取っ手がないシンプルな鍋「やっとこ鍋」、湯切りの道具「てぼ」など、見た目も名前もユニークなものが取り上げられている。カードには道具辞典が添付されており、道具の使い方も理解できる。こうして現代の家庭ではほとんど接点のなさそうな50種を超える道具と子どもたちが遊びを通じて出合うユニークなカードゲームが誕生した。

道具の使い方や簡単な歴史、名前の由来といった豆知識を解説した道具辞典。

子どもも大人も、
熱中しながら
道具文化に触れる。

テコカコテの遊び方は、簡単に言うとカルタに似ている。プレイヤーの一人が「お好み焼きをひっくり返す道具はテコかコテか?」と質問カードを読み上げ、他のプレイヤーが広げられた札の中から、対象の札を探して取る。札を多く集めたプレイヤーが勝者だ。1回やれば誰でも遊び方がわかるよう親しみやすいルールとした。 遊びながら子どもたちは身近にない道具の名前や使い方を知り、興味を持つ。そうしていつか遊びの中で知らないうちに料理道具文化に馴染んでもらえるようにと、思いを込めた。

絵札の道具イラストは道具が持つ役割や出来上がる料理がイメージできるよう細部までこだわった。例えば「やっとこ鍋」であれば、道具だけではなく六方剥きの里芋も表現した。また「鮫皮」には、「のの字」が描かれている。これは「のの字」を書くようにわさびをおろすことで、味や香りが引き立つという調理のコツもわかるようにした。遊ぶ度に新たな発見があり、視覚的にも道具の使い方や調理法を深く理解できるように工夫している。

「やっとこ鍋」のカードに描かれた6面の里芋は、“六方剥き”という調理法で切られたもの。この切り方は、煮崩れを防ぎ、見た目を美しくするため、煮込み料理やおもてなし料理などに用いられる。
道具カードの一つ、「のぞき」とは、懐石料理のお盆の奥側に置かれ、醤油や薬味を入れるための深めの小鉢。上から器をのぞき見る動作から名前がつけられた。
カード裏面のイラストが表しているのは、千日前の過去といま。大阪が東京を凌ぐ大都市として栄えた大大阪時代の象徴となる「楽天地」と現在の「道具屋筋商店街」を重ね、時代のつながりを示している。

また、カードの裏面には千日前の“いまとむかし”を描くなど歴史も表現した。ふたつの時代を重ね合わせたデザインに、過去から現代への道具文化の継承を託しているのだ。
完成したテコカコテは、近隣地域の学校などに寄贈された。道具だけでなく、文化も伝える。千日前道具屋筋商店街の想いがまたひとつ、カタチになった。

テコカコテで道具に興味がわいたら、実際の売り場に行き、気になるものを探してみるのも、一つの楽しみ方。いままで目に留めていなかった道具に対する新たな発見が生まれる。

2021年2月、コロナ禍で自粛生活が続く
地域の小学校と、福祉施設に
カードゲーム「テコカコテ」を寄贈。

コロナ禍で外出を制限された子どもたちに、新しい学びと楽しみの提供になることを願い、2021年2月、千日前道具筋商店街の千田忠司理事長より商店街と親交の深い大阪市立高津小学校、大阪市立南小学校、そして中央区の福祉施設にテコカコテが700個寄贈された。配布された小学1年生の教室では歓声が上がり、手に取った見たこともない道具が描かれたカードを真剣な表情で見つめていた。

商品開発監修
千日前道具屋筋商店街振興組合

監修 : 千日前道具屋筋商店街振興組合
(絆具 -TSUNAGU-ブランド 推進委員会)

大阪の中心地、難波で140年以上プロの目利きにかなった道具を販売し、食の文化を支えてきた。家庭用調理道具も取り揃え、人と人とが料理を通じて、話せる街をめざす。その中の取り組みとして立ち上げたブランド、絆具-TSUNAGU-によって先人の築いてきた大切な食文化を未来へつないでいる。

企画・制作
株式会社ウィルコミュニケーションデザイン研究所

株式会社
ウィルコミュニケーション
デザイン研究所

企業、製品のブランディング戦略から広告戦略、製品開発や業態開発、空間のプロデュース、IR、コーポレートコミュニケーションまで幅広く手掛ける制作会社。絆具ブランドプロジェクトにも関わる。

商品紹介Tsunagu Product

カードゲーム テコカコテ

Teko or Kote Game Doguyasuji

受け継がれてきた道具文化を守るためには、
次世代の子どもたちにその道具を伝えていくことが必要です。
千日前道具屋筋商店街が取り組んだのは“遊び”を通じて
道具文化を次世代へと継承するプロジェクト。
敷居の低い“カードゲーム”というきっかけによって子どもも
ごく自然にユニークな道具と、その価値に触れられます。
友だちや家族と一緒に、未知の道具文化に親しんでみませんか。

詳しくは、千日前道具屋筋商店街 取扱店まで

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